校長メッセージ

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2019年9月

2019年9月 2日 (月)

【第4回】地下鉄の車内や構内で「人をぶっちゃダメなんだよ。」を見かけますね。

みなさんこんにちは。校長の江川です。

長い夏休みも終わり、新たな学期のはじまりです。ここからみなさんの顔を眺めていると、1学期の終業式で「時間の支配者」についてお話ししたように、一人ひとりが自分のペースで充実した夏休みを過ごしてくれたでしょうことがよくわかります。2学期も気を引き締めて頑張りましょう。

昨年の夏に続き、九州地方を中心に豪雨に見舞われ、「災害級の」猛暑でたくさんの方々が亡くなられました。

そして、最近では、よく気象庁が発表する「かつてない最大級」と自然の猛威にたじろいでいる私たちです。
 
被災されている方々には一日も早い復興と亡くなられた方々にはここに謹んでお悔やみ申し上げます。

生徒のみなさんが、もし災害の当事者だったどうするか?考えて欲しいと思います。そして、考えたことを発信してみてください。

私だったらということで、お話ししたいと思います。

「まずは、心の中の勇気は失わずにいよう。なぜなら、苦難を乗り越えることで、自分自身がさらに強く、たくましくなる『未来』」がきっと待っているから。そして、どんな状況でも自分で考えて課題を解決するように考えてみよう。」

知識を集積し、偏差値を上げ、難関大学に合格することだけを目的にした学びは、これからの時代では通用しません。世界の諸問題の解決に向けた立案・討論といった豊かな学びを多感な中等部・高等部時代から経験することで、学園の建学の精神「独立自営」から「グローバル人財の育成:世界で働ける人になろう」の礎(いしづえ)を築いていくことになります。AIやロボットでは代用できない、直感、センス、コミュニケーション、発想、身体性などの能力を磨いていく、これは「未来志向型教育」の目的です。

さて、私鉄の車内や構内で「人をぶっちゃダメなんだよ。」と書かれたポスターを見かけるようになりました。これは「乗客同士、駅係員、乗務員への暴力行為が多発する中で考えられたキャッチコピーだと思います。

国際社会においても非暴力な社会でなくてはなりません。森村学園の校訓「正直、親切、勤勉」から考えても、当たり前のことです。世間では当たり前のことができない人がいるから、このような形でアピールしなければならなくなるのです。

9月22日・23日の『みずき祭』に向けて準備が進んでいます。文化祭という行事を通じて、生徒一人ひとりが「正直」に、お互いが「親切」で「勤勉」に、みんなでひとつ方向に向かって欲しいと思います。私は「行事が人をつくる」という考えを持っているということを第2回校長メッセージでもお伝えしました。行事は自分の意見だけでなく、他者の意見にもしっかりと耳を傾け、より良い道を模索するための最高のイベントです。自分の意見が通らないからといって肉体的暴力に訴えることは論外ですが、意見の異なる相手に対して精神的暴力(言葉の暴力など)を与えてはダメです。相手の意見を尊重しつつ、自分はなぜそのように考えるのかを、皆さんは論理的に相手に説明する力を備えているはずです。校訓「正直、親切、勤勉」、建学の精神「独立自営」を、生徒一人ひとりがこの『みずき祭』で実践してくれることを願い、そして見守っています。

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なお、この暴力防止行為ポスターは、(一社)日本民営鉄道協会様のご理解の下、私が本校HPのブログに掲載する許可を頂いています。このポスターは、鉄道係員に対する乗客からの暴力を未然に防止することを目的として作成されたものであります。本来のターゲットの多くは大人を想定したものです。他者と協調する言葉の力をさらに磨き、暴力に頼らずともよりよい社会を作っていく手本を、大人だけでなく、「未来志向型教育」の一環であると私は認識しております。生徒も含めて、もう一度見つめなおす機会にできればと考えました。ご参考までに、本ポスターに関するニュースリリースを記載いたします。
https://www.mintetsu.or.jp/association/news/2019/14595.html

森村学園中等部・高等部 校長 江川昭夫