校長メッセージ

2019年10月 1日 (火)

【第5回】 漫画家 さくらももこさんの「ぜんぶ」に寄せて

みなさん、こんにちは。校長の江川です。

年度の半分が終わりました。消費税も上がりました。

朝晩の寒暖の差は大きく体調に注意しなければならない季節になりました。

2学期当初、台風15号の襲来を受け、9月9日(月)は臨時休校となりました。千葉の方では被害甚大でいまだに自宅に戻れない、あるいは、家屋が復旧していないところもあるようです。一日も早い復興を願うのみです。

9月14日(土)、PTA主催のバザーがありました。お手伝いいただいた保護者の方々、ご協力、誠にありがとうございました。絶好のバザー日和となり、暑くなく、程よい気候の中で行われました。特に今年は中高等部生徒会の発案で、何年分もたまってしまった持ち主不明の忘れ物の傘を有効利用させていたき、募金をすると中古の傘を差し上げますという活動を実施しました。ご協力をお願いしたところ、100本以上の傘がはけました。中には募金だけをしてくださる方もおられました。最終的には5万3560円という大きな成果を日本ユニセフに寄付することができました。

9月22日(日)、23日(月)はみずき祭が開催されました、台風17号の日本上陸予想の中で、天候が危ぶまれる中で、その合間を抜って行われたといっても過言ではないと思います。22日の夜は天気予報の通り雨が降りましたが、朝には上がっていました。23日夕方風が強くなりましたので、テントのみ早めに片づけるようにしました。実行委員は実行委員長と各スタッフと生徒会執行部で構成され総勢30名です。24日(火)の職員ミーティングの時に全員がそろって、職員室で挨拶をしてくれました。みんなの顔は充実感にあふれていたと思います。私からも、「ご苦労様、Good morning.」と言わせてください。

学校教育の現場で「行事が人をつくる」ということが大切だと考えています。「行事」の中で必ずしも上手くいくことばかりではないはずです。むしろ、つらく、失敗することの方が多いと思います。どう、上手くいったのか、どう、乗り越えたのか、どんな人が手を差し伸べてくれたのか、などを心に刻んで欲しいのです。

23日、15:10‐15:30、合唱部の素晴らしい歌声を聞きました。曲目の中に「ぜんぶ」という曲がありました。

昨年8月15日に、漫画・アニメ「ちびまる子ちゃん」で知られる漫画家・さくらももこさんが亡くなりました。もう一周忌は過ぎました。

ぜんぶ
大切なことは
ぜんぶここにある。
泣くこと 笑うこと
怒ること 喜ぶこと
あたりまえの気持ちは
あたりまえのものとして
そのまま 今ここにある。
もうどこへも行かなくても
なんにもしなくても
どこへ行っても
何をしても
ぜんぶそのままだ。

                              引用元:集英社文庫

2003年に発表された詩集「まるむし帳」に収められている一遍です。作曲は相澤直人さんです。

https://www.youtube.com/watch?v=WLVXJbtigXY

合唱曲「ぜんぶ」(歌:hamoia ensemble)です。一度、聴いてみてください。 何か、心に沁み込むものがあります。

「大切なこと」ってなんでしょう?
すでに手元にあり、長所があったり、短所があったり、学ばなければならない所もあったり、「他者とのかかわり(=「行事が人をつくる」)の中で自分の中にある大切なものを見出す。」というようなことを私は頭に思い描きました。
あと、二週間で第二学期中間試験です。

勉強もわからないところは教え合い、クラス全体の成績向上を目指してください。

本学園の校訓は「正直 親切 勤勉」、建学の精神は「独立自営」」です。自分自身のことにままならない人もこの機会にこれらを再確認して日々の生活に臨んででもらいたいと思います。

気候の変化が激しい今日この頃です。体調管理には充分留意して下さい。

大事な私の仕事を忘れるところでした。
「発表します。令和元年度みずき祭の令和(校長)賞は、高校の部:「新体操部」、中学の部:「二十代目ソーラン節」でした。本当におめでとうございます。」

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森村学園中等部・高等部 校長 江川昭夫

2019年9月 2日 (月)

【第4回】地下鉄の車内や構内で「人をぶっちゃダメなんだよ。」を見かけますね。

みなさんこんにちは。校長の江川です。

長い夏休みも終わり、新たな学期のはじまりです。ここからみなさんの顔を眺めていると、1学期の終業式で「時間の支配者」についてお話ししたように、一人ひとりが自分のペースで充実した夏休みを過ごしてくれたでしょうことがよくわかります。2学期も気を引き締めて頑張りましょう。

昨年の夏に続き、九州地方を中心に豪雨に見舞われ、「災害級の」猛暑でたくさんの方々が亡くなられました。

そして、最近では、よく気象庁が発表する「かつてない最大級」と自然の猛威にたじろいでいる私たちです。
 
被災されている方々には一日も早い復興と亡くなられた方々にはここに謹んでお悔やみ申し上げます。

生徒のみなさんが、もし災害の当事者だったどうするか?考えて欲しいと思います。そして、考えたことを発信してみてください。

私だったらということで、お話ししたいと思います。

「まずは、心の中の勇気は失わずにいよう。なぜなら、苦難を乗り越えることで、自分自身がさらに強く、たくましくなる『未来』」がきっと待っているから。そして、どんな状況でも自分で考えて課題を解決するように考えてみよう。」

知識を集積し、偏差値を上げ、難関大学に合格することだけを目的にした学びは、これからの時代では通用しません。世界の諸問題の解決に向けた立案・討論といった豊かな学びを多感な中等部・高等部時代から経験することで、学園の建学の精神「独立自営」から「グローバル人財の育成:世界で働ける人になろう」の礎(いしづえ)を築いていくことになります。AIやロボットでは代用できない、直感、センス、コミュニケーション、発想、身体性などの能力を磨いていく、これは「未来志向型教育」の目的です。

さて、私鉄の車内や構内で「人をぶっちゃダメなんだよ。」と書かれたポスターを見かけるようになりました。これは「乗客同士、駅係員、乗務員への暴力行為が多発する中で考えられたキャッチコピーだと思います。

国際社会においても非暴力な社会でなくてはなりません。森村学園の校訓「正直、親切、勤勉」から考えても、当たり前のことです。世間では当たり前のことができない人がいるから、このような形でアピールしなければならなくなるのです。

9月22日・23日の『みずき祭』に向けて準備が進んでいます。文化祭という行事を通じて、生徒一人ひとりが「正直」に、お互いが「親切」で「勤勉」に、みんなでひとつ方向に向かって欲しいと思います。私は「行事が人をつくる」という考えを持っているということを第2回校長メッセージでもお伝えしました。行事は自分の意見だけでなく、他者の意見にもしっかりと耳を傾け、より良い道を模索するための最高のイベントです。自分の意見が通らないからといって肉体的暴力に訴えることは論外ですが、意見の異なる相手に対して精神的暴力(言葉の暴力など)を与えてはダメです。相手の意見を尊重しつつ、自分はなぜそのように考えるのかを、皆さんは論理的に相手に説明する力を備えているはずです。校訓「正直、親切、勤勉」、建学の精神「独立自営」を、生徒一人ひとりがこの『みずき祭』で実践してくれることを願い、そして見守っています。

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なお、この暴力防止行為ポスターは、(一社)日本民営鉄道協会様のご理解の下、私が本校HPのブログに掲載する許可を頂いています。このポスターは、鉄道係員に対する乗客からの暴力を未然に防止することを目的として作成されたものであります。本来のターゲットの多くは大人を想定したものです。他者と協調する言葉の力をさらに磨き、暴力に頼らずともよりよい社会を作っていく手本を、大人だけでなく、「未来志向型教育」の一環であると私は認識しております。生徒も含めて、もう一度見つめなおす機会にできればと考えました。ご参考までに、本ポスターに関するニュースリリースを記載いたします。
https://www.mintetsu.or.jp/association/news/2019/14595.html

森村学園中等部・高等部 校長 江川昭夫

2019年7月20日 (土)

【第3回】夏休みの過ごし方~「時間の支配者」になる~

みなさんこんにちは。校長の江川です。

私が、本校に赴任して、あっという間の1学期が過ぎました。
 
今年は、創立者森村市左衛門先生の没後100年の年にあたります。また来年は、学園創立110周年を迎えます。この節目の中、改めて創立者の建学の精神「独立自営」に立ち戻り、長きにわたる伝統に思いを馳せると同時に、未来志向型教育の更なる定着を目指し、「社会を変革することに貢献できる人間の育成」を推進していきたいと考えています。

さて、みなさんにとっては待ちに待った夏休みがはじまります。長い夏休みを、みなさんにどう過ごしてもらおうかな? と私なりに考えてみました。そこでこの夏休みに向けて、「時間の奴隷から支配者へ」というテーマでお話ししたいと思います。

さらに、これからお話しする内容はみなさんに配られる「夏に出会う2019森村学園 中・高等部」の第1ページに『夏に出会う「時間の奴隷から支配者へ」」という題名で書きました。是非とも、読んで下さい。

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『むかし、南の島のある酋長が、文明国を旅してきました。みやげ話を聞きに集まった人たちに、彼はこう言いました。
「彼らは、四六時中カチカチとなる丸いものを腕に巻き付けていて、それを見ている。それはたいへん恐ろしいものらしく、そこから命令らしいものが出ているようで、そのとおりに行動しているように見えた。」』

南の島の酋長は、時間に支配されている文明人の暮らしを皮肉ったというよりは、ほんとうに不可解な恐ろしさを感じたということです。

確かに私たちの暮らしは、時間によって成り立っています。朝は学校が始まる時間から逆算して起きますし、夜は見たいテレビ番組と相談のうえ、寝る時間を決めますよね。そうした時間に支配された生活は、行き過ぎるとかなり息苦しいものなります。

そんななか、夏休みは私たちに時間に支配された生活を抜け出すよい機会を与えてくれると思います。うるさく起こされもしないし、授業時間の始まりや終わりを告げるチャイムもありません。一日24時間という長い時間を、自分で割り振って使うことができます。

でも、時間の制約を受けないからといって、時間を上手く使えるというわけではなく、支配者になれたわけでもありません。時間をよりよく統治する能力に欠けた者は、結局は時間に復讐されることになるのです。
 
夏休みは「時間の支配者になれる」絶好の機会ではないでしょうか? 自分のペースで構いません。心の緩みには気をつけ、ほどよい緊張感のなかで、毎日勉強するようにしましょう。大事なのは、規則正しく、計画を立てて、コツコツやるということです。はじめこそ張り切って、毎日8時間勉強しても、途中で辛くなって投げ出してしまったら意味がありません。それならば、毎日1時間を1ヶ月つづけるほうが、長い目で見れば確かな力となります。習慣として身についたものは、夏休みが終わっても継続することができるからです。

この夏休み、「時間の支配者」となって、みなさんには「しなやかな“しつこさ”」を身につけてほしいと思います。

本校の校訓は「正直・親切・勤勉」です。 校訓は、成功への一番の、そして唯一の近道となる合言葉です。「しなやかな“しつこさ”」で頑張るみなさんには、きっと未来が待っていると思います。

どんな夏になるのでしょうか?2学期には元気な姿で再会しましょう。

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森村学園中等部・高等部 校長 江川昭夫

2019年6月17日 (月)

【第2回】みずき祭のテーマが決まりました

2019年度みずき祭のテーマは『おはようございます。』です。

私はこの4月に校長として赴任しました。ですから、「今までの『みずき祭』とはどのようなものだったのだろうか?」と想像してみました。いや、先入観はいけません。新たな目で見ることが大切!と思いました。そうだ、このテーマはある意味、今までのものから、『おはよう!』と目覚め、今までにない企画、団体などが繰り広げられるのではないかと・・・

9月22日(日)、23日(月:秋分の日)の二日間、みずき祭が開催されます。9月上旬にはPTA主催のバザーも行われます。9月はある意味、文化的行事一色になる中で、学園全体が新鮮さのあふれる『みずき祭』に感じられる色々なパフォーマンスが繰り広げられると思います。ご期待いただき、お楽しみいただければ幸いです。

生徒のみなさんにはクラスや学年の壁を越え、テーマである『おはようございます。』に心を込め、みなさんが盛んに活動を展開する場として、すばらしい『みずき際』を作り上げて欲しいと思います。

みなさんに取り組んで欲しいことがあります。それは、Portfolio(ポートフォリオ:活動報告書)の作成に積極的に挑戦することです。文化祭が終わるとそれぞれの団体で「振り返り」を行い、翌年の文化祭に向けて「課題設定」していることと思います。そのプロセスをPortfolioに記録してみて欲しいのです。

『みずき祭』という行事を通じて、生徒一人ひとりが「正直」に、お互いが「親切」で「勤勉」に、みんなでひとつ方向に向かって欲しいと思います。私は「行事が人をつくる」という考えを持っています。行事は自分の意見だけでなく、他者の意見にもしっかりと耳を傾け、より良い道を模索するための最高のイベントです。本学園の校訓「正直、親切、勤勉」、校訓「独立自営」を、生徒一人ひとりがこの『みずき祭』で実践してくれることを願い、そして見守っています。

保護者の皆様にも、生徒たちの成長を私たちと共に見守っていただきたく存じます。そして限られた時間の中ですが、『おはようございます。』のテーマで作り上げられる『みずき祭』が盛会となりますようにご協力を心よりお願い申し上げます。

森村学園中等部・高等部

校長 江川昭夫

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(全校生徒で盛り上がった「オープニングセレモニー」:昨年度)

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(中等部生有志による森村伝統の「ソーラン節」:昨年度)

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(高等部3年生美術選択者によるガレリア内の装飾:昨年度)

2019年5月16日 (木)

【第1回】勤勉とシラバス

みなさん、こんにちは。校長の江川です。

私が、本校に赴任して、一か月半が過ぎようとしています。 
今後、一か月に一度位のペースで、私からのメッセージを送ることにします。

一回目は、みんなさんに配布された「2019 Syllabus 授業要項 Morimura Gakuen」の巻頭のところで「勤勉とシラバス」という題名で書いている内容についてです。再度、この「2019 Syllabus 授業要項 Morimura Gakuen」の使い方を確認して下さい。『いつも傍らに置いて、学びの進捗状況を確認できるものです。先に進んだり、戻ったり、自らが「学び自立」のために、利用して欲しいものです。』ぼろぼろになるまで、利用して欲しいです。

保護者のみなさま、ぜひ、本人に「2019 Syllabus 授業要項 Morimura Gakuen」を食卓に持って来させて、巻頭の私のページを一緒に読んで、お子様と共有していただければ、教職員一同、この上もなく、うれしい限りです。

森村学園 中等部・高等部 校長 江川昭夫


<勤勉とシラバス>

『校訓―行動指針―「勤勉」:人の力は無限に進む。学び続ける人となれ。』
とあります。さらには「学ぶことの喜びを知り、真理を求め続ける強い力を持つ。」そして「学びを生かし、自らの夢と幸せな社会の実現を目指す。」とあります。

この「行動指針」と「シラバス(Syllabus)」の関係について考えてみましょう。
 
シラバス(Syllabus)について、『ウィキぺディア』での記述を調べてみました。
 「日本では教師が学生に示す講義・授業の授業計画のこと。米国では、各回講義内容から教員連絡方法まで、個別講義の受講に関して必要なすべてを盛り込んだメモのこと。」
 「この言葉は、米国で慣用され、近年、日本の学校でも流行しているが、ヨーロッパの学校ではあまり用いられていない。米国の学校においては、個々の講座の独立性が強く、教員も外部からの人材が多いために、シラバスは講座の教育方針や教員の連絡方法その他の情報を含んでおり、学生にとっては不可欠なものである。教員の多くが学校に所属し、学校としての統一的な教育方針が求められる日本では、シラバスはもっぱら授業計画の同義語となっている。主に、児童・生徒・学生・進学希望者、及びその保護者らに、講義・授業の内容、授業計画を周知させる目的で作成される。」
「高等学校・中学校のシラバスの主な内容は、科目名や習得単位数、年間の授業時間数、使用する教科書、学習の到達目標、各学期及び期間ごとに行われる各単元の大まかな内容、どのような観点や方法で評価を行うか、などである。」
「シラバスを作成する利点は、
■学習の流れを生徒が理解し、円滑に授業を受けられる
■指導者にとっても、生徒に対して円滑に指導を進められることなどが挙げられる。」
 
シラバスは本学園の行動指針の具現化の一助になるものと思っています。私たちの「自ら学ぶ」という自立の手助けとなります。自らの夢と幸せな社会の実現を目指す、助けにもなっています。いつも傍らに置いて、学びの進捗状況を確認できるものです。先に進んだり、戻ったり、自らが「学びの自立」のために利用して欲しいものです。
 物事をやり遂げるには、長期ビジョンと短期ビジョンが必要です。
学びの長期ビジョンとして年間指導計画が提示され、短期ビジョンとしては自らの学びがあります。自分で調整ができるのです。
 いつも自分の傍に置いて、シラバスと相談しながら、自らの学びの進度を確認できます。今まで、そんな風に利用していたでしょうか?
 学習は多くの教科、科目に及びます。得意不得意もあるかと思います。それらをバランスよく進めることも大切です。シラバスの内容についても担当の教員と相談して下さい。
「利用できるものは何でも利用して、自らのものにする。」この考え方は、今の世の中、大切だと思います。
 学びは自分だけでできるものではありません。友達、先生と協働して、自立を目指して学んでいって欲しいものです。