【第14回】 「この間、今、皆さんに伝えたいこと(その4)」~感染症に勝つために~
新年度を迎えました。
例年ですと、入学式と1学期の始業式を迎え、学園は一気に活気づく時期です。しかし申し上げるまでもなく、世界と日本はたいへんな状況を迎えています。まずは、生徒と教職員の皆さん、そして皆さんの家族の方々の健康を何よりも最優先して、学園としては行動していきたいと考えています。
新しく森村の仲間となる新中1の皆さんにも、学園生活のスタートを少し待っていただくことになります。勉強のことなど、心配や不安も多いことか、と思います。どうか、落ち着いてその日を待っていて下さい。
さて、日本赤十字社のサイトに「新型コロナウィルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~」という記事がアップされていました。
ぜひ皆さんに読んでいただきたいと思います。
http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200326_006124.html
この記事によると、3つの顔とは、「病気」「不安」「差別」を指します。
新型コロナに用心することに少し疲れてきた今、読んでみると、たいへんうなずけることばかりです。
まず用心しなければならないのは、「病気」である新型コロナウィルスそのものです。
しかし、そのウィルスは目に見えませんし、感染しても発症に時間がかかるということから、私たちは「不安」に思います。不安情報を口にしてみたり、SNSで発信や拡散をすることで、今度はその不安が伝染します。
やがてそれは、人への「差別」を生んでいきます。すでに、新型コロナ差別といった表現でニュースにもなっているようです。皆さんも目にしたり、聞いたりしたことがあるかと思います。差別されるのが怖くて、症状が出ても、そのことを知らせることができない、といったことになれば、ウィルスはさらに拡散し、最悪の連鎖を生みます。
感染症に勝つためには、最新の確かな情報を知り、そして手洗い、うがい、マスク、そして3密を避けることです。
それだけでなく、私たちの心も感染症に勝たなくてはなりません。不安や恐れは誰にでもあります。しかし、それに気がついたら、自分がすべきこと、またはすべきでない行動を考えてみましょう。自分のことを客観的に観察してみましょう。他人事ではなく、自分事としてとらえることにしましょう。
生徒の皆さんのご家族も、イレギュラーな事態に疲れがたまってくる頃かもしれません。周囲の方々に思いやりと敬意を持って、家庭生活を送ってください。
さて、初等部ホームページの「初等部だより」に、学園の春の様子が掲載されています。3月25日の記事の最後には動画もあり、鶯(ウグイス)も鳴いています。自然界のいつも通りの営みに、少しほっとした気持ちになります。
https://netty.lekumo.biz/morimura_el_event/
皆さん生徒と私たち教職員が満面の笑顔で再会できる日が一日も早く来ることを今日も祈っています。
中等部・高等部 校長 江川昭夫