校長メッセージ

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2020年3月20日 (金)

【第12回】 「在校生、そして卒業生の皆さんへ」~合言葉を胸に~

3月19日に中等部3年生、20日に高等部3年生の卒業証書授与式が行われました。これで1年間のすべての行事が終了し、学園の1年も終わりました。

今年度も様々な行事や出来事がありました。春の体育祭、夏休みに多くの生徒が参加した海外留学や研修、快晴に恵まれたみずき祭、1月には高等部3年生のセンター試験「出陣式」、そして2月には、年度最後の行事、中等部の合唱コンクールがありました。

合唱コンクールは、1年、2年、3年と学年順に舞台に登場しました。1年生は、舞台に飲まれないよう一生懸命です。2年生は2回目ということで慣れてきて、声も出るようになります。3年生になると、歌に気持ちを乗せられるようになります。そんな皆さんの成長ぶりが私の耳を楽しませてくれました。

開会の辞では、中等部1年の稲岡さんが「私は練習の時、クラスが団結協力しないと良い合唱ができないということを学びました」と。また、閉会の辞では、中等部3年の岸本くんが「合唱コンの練習で、クラスで過ごせた時間は大切な時間でした。もっとみんなでまとまっていたら、もっといい思い出になったと少し後悔しています。だから、1、2年生は今日経験し、感じたことを活かしてさらに成長して前進できるよう、がんばってください」というスピーチが印象的でした。

生徒の皆さんは、全員が合唱コンクールの経験者です。だから、この二人の言葉、「クラスが団結協力しないと良い合唱ができない」「もっとみんなでまとまっていたら、もっといい思い出になったのに」という言葉の意味が、とても腑に落ちることと思います。

「行事は人をつくる」のです。皆さんはこの1年間、体育祭やみずき祭、合唱コンクールなどの行事や部活動や各種の資格試験や定期試験なども行事と考え、それらを通じて、成果が出たこと、楽しかったこと、いろんな葛藤や課題を感じたこともあったでしょう。そして方法や対策を考え、次の行動を起こす。そんな試行錯誤を積み重ねていくことが大事なのです。それが、みんなで成長するということなのです。どんな状況でも自ら課題を発見し解決していく訓練の場でもあるのです。

さて、新型コロナウィルスの感染が拡大し、学園のスケジュールは、突然大きな変更を強いられました。生徒の皆さんは、2月29日以降の臨時休校以降、学校に登校できなくなりました。期末試験も中止になるという異例の事態となりました。

特に卒業をひかえた高等部3生と中等部3生は、残り少ない友達や先生たちとの最後の学校生活が突然断たれてしまいました。皆さんの健康を第一として配慮した結果とはいえ、とても残念なことでした。

そんな中、高等部卒業証書授与式では、保護者の方々にも皆さんの巣立つ姿を見ていただくことができました。例年とは異なり簡略化した形とはなりましたが、私達教職員は、成長した皆さんの姿を見て、たいへん嬉しく誇らしく思いました。保護者の方々もそう思われたに違いありません。

中等部3年生の皆さんは、義務教育を修了しました。中等部までの教育は義務として受ける教育でした。これから皆さんが受ける高等部での教育は、皆さん1人ひとりの意志で受ける教育です。高等部の3年間は、自分の進路を決定する大事な時間となります。

3年前の春に、皆さんは森村学園中等部に入学してきました。皆さんは3年前のその不安と期待の入り混じった気持ちを覚えているでしょうか。中等部の生活を悔いなく楽しく過ごせたでしょうか。

もし何か悔いがあったとしても、ここで今一度、この3年間を振り返って、次の高等部での目標や自分への期待を定めてほしいです。高等部入学までの時間を、自らの「未来」を思い描くために使ってほしいと思います。卒業は、新たな挑戦のはじまりです。引き続き、一緒に頑張っていきましょう。

高等部3年生の皆さんは、森村学園中等部高等部での6年間の学園生活では、楽しかったこと、苦しかったこと、さまざまな場面を思い出すことができると思います。そんなとき、皆さんの傍(そば)にはいつも友達、先生がいて、そして、ご家族がいらしたことでしょう。皆さんは、6年間の間に、たくましく、人間的にも成長しました。そのような皆さんに、私は大いに敬意を表したいと思います。

4月になれば、皆さんは新たな門出を迎え、大学などに進学して、本当に興味のあることに打ち込むことになります。高校までは、与えられた勉強をこなしていけば、自然と成績も向上したはずです。しかし、これからの「学び」は、自分自身の強い意志と適切な選択によって取り組むものです。「学び」から得られる本当の「学問」の楽しみ、喜びはここからはじまります。そして、その礎(いしずえ)はこれまでの森村での生活によって培(つちか)われたものであることに自信を持ってください。安心して学びの門を叩き、生涯学び続けられる人となって欲しいと思います。

現代は、予測不能な時代などと言われます。グローバル社会の到来で、より複雑で変化の激しい時代に進んでいます。皆さんが社会に出て選んだ仕事がそのまま一生続けられる仕事なのかわかりませんし、会社に入ってもその会社がずっと存続するのかもわからない。

そんな時代であるからこそ、卒業しても、森村学園の建学の精神「独立自営」を常に頭の隅に置いてほしいのです。「独立自営」とは、「人徳を備え、自らの力で人生を切り拓き、世界の力、社会の力となる」、すなわち、「どんな時代であっても自分自身の力で立てる人であれ」ということです。皆さんには、自らの「未来」をいつも考えて、挑戦していって欲しいと思います。

今、日本において最も求められているのは、グローバル社会の舵取りを行うリーダーです。森村学園でしっかりと学んだ皆さんが、いつしか世界のリーダーとして活躍する日が来ることを心から願って止みません。多様な価値観を尊重し合い、奪い合うのではなく、与え合うことができる人になっていただきたいと、心から願っています。これからも、校訓「正直・親切・勤勉」を合言葉に、これからももっと幸せで愛に満ちた人生を過ごして欲しいものです。

森村学園を巣立つ皆さんの未来が、幸福で実り多いものとなるよう、心から願っています。
ご卒業、誠におめでとうございます。

中等部・高等部 校長 江川昭夫