【第13回】 「この間、今、皆さんに伝えたいこと(その3)」
3月25日の小池都知事の会見をご覧になった方も多いでしょう。
都知事は、新型コロナウィルス感染者の急増について、「感染爆発の重大局面」であるとし、まずは今週末の不要不急の外出を控え、そして3つの「密」、「換気の悪い密閉区間」「多くの人の密集する場所」「近距離での密接した会話」を避けるようにと呼びかけ、神奈川県の黒岩知事も同様の緊急メッセージを出しました。さらには、26日、東京・神奈川・埼玉・千葉・山梨の知事がTV会議で首都圏としての呼びかけに広がり、小池都知事は夜には安倍首相にも面会し、首相は「緊急事態宣言対策会議本部」招集へまで至っています。
自治体の長の呼びかけている”皆さん“というのは、もちろん子供も大人も含まれます。森村学園の生徒である皆さんも、もちろん教職員も、このことを肝に銘じて行動していただきたい内容です。感染は、自分一人の問題ではありません。感染を防ぐ行動をするということは、家族や友達へ、多への思いやりでもあるのです。他人事ではなく、自分事としてとらえることなのです。
さて、第3学期末の臨時休校から春休みに入り、長い休みが続いています。私が皆さんに期待することは、自分で生活をコントロールできるようになることです。中学生、高校生だったら、自分でプランニングできるはずです。森村学園の建学の精神は「独立自営」は「どんな困難な状況でも自分で考えて課題を解決でき、自らの道を切り拓く」というものです。休みなのに外出が難しい、部活動もできない今だからこそ、具体的に出来ることはなんだろうと考えてもらいたいのです。読書でしょうか。家族の手伝いでしょうか。人ごみを避けて静かなところを散歩することを習慣にしてみてもいいかもしれません。森村生の知性と理性に期待しています。
世界的ベストセラーとなった「サピエンス全史」の著者、歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏が、新型コロナウィルス”についてTIME誌に寄稿した記事が翻訳されています。
http://web.kawade.co.jp/bungei/3455/
同氏は、この新型コロナウィルスの大流行をグローバル化のせいとすることに警鐘を鳴らし、分離でなく協力が人々を救うのだと呼びかけています。ハラル氏の歴史学者的な視点は、この状況を整理し、客観視する助けになるかもしれません。
河出書房新社より
さて、森村学園の新しい1年が間もなく始まります。新入生たちが少しの不安と大きな期待を胸に入学してきます。森村学園は、生徒の皆さんと教職員が力を合わせて、もっともっと良い学校していきたいと思っています。今回の、この予想すらしなかったこの局面は、どんな時でも柔軟に対応できる学校となるために天から与えられた試練の機会と考えています。
みんなで力を合わせて、乗り切りましょう!
中等部・高等部 校長 江川昭夫