校長メッセージ

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2020年4月15日 (水)

【第18回】 「この間、今、皆さんに伝えたいこと(その7)」~必要なのは、「冷静さ・感謝・寛容」~

4月も半ばを過ぎました。現在は、教員も在宅勤務とし、オンラインで連絡を取り合い、Web会議機能を利用して仕事をしています。

クラスの朝礼で「おはようございます。」の挨拶から始まり、「さようなら。また明日、元気で会いましょう。」で終わる終礼、それがない学校は寂しいです。一日も早く、そんな日常が戻ってほしいと願っています。

新しいクラスが発表になりました。いつもなら、「どんな友達と一緒かな?」とワクワクする楽しい瞬間ですね。今回はそれを奪って、ごめんなさい。個人情報保護の観点から、オンラインでの全クラス発表は控えさせていただきました。

4月13日には、生徒の皆さんに学年ごとの「学年通信」を発信しました。それぞれの学年通信には、担任・副担任から皆さんに向けた言葉が掲載されています。例年であれば、皆さんの顔を直接見ながら笑顔で伝えるはずだった言葉の数々です。教室での一コマを想像しつつ読んでみてください。気持ちがより伝わることでしょう。

連絡ツールe-paを使用した学習課題等が配信されています。まもなくTeamsやForms(Microsoft office365)を利用したオンライン学習がスタートします。「あれやこれやあって、たいへんだ~。」の気持ちもよくわかります。しかし、まずは皆さんが試行錯誤の上で慣れて欲しいと思います。そして、許されることなら、ご家族の方やペットまでも巻き込んで、1つのディバイスを囲み、家族でわいわいがやがや…。そんなことを想像できたら、私は嬉しく微笑ましいと思います。

現段階では課題中心ですから「物足らない」と思うかもしれません。既習事項の確認、新たな知識の吸収、それらをないがしろにしてはいけません。それらをもとに、次の段階に進むことになります。

中高は6学年ありますから、学齢とそれぞれの発達段階に応じた学習サポートを行う必要があると考えています。森村学園は幼稚園、初等部、中等部高等部と最長で15年、次は12年、6年、というつながりのある教育が行われています。弟妹が在籍している設置校ごとで対応が異なっていると思われがちなところもあるような気がします。学齢が上るに従い、皆さんは思春期のトンネルを迎え、さらなる自立が求められていきます。校訓「正直・勤勉・親切」をいつも心に、建学の精神「独立自営」を目指したいのです。コロナショックの今こそ、創立者が遺してくださったこれらの言葉の実践は、最も大切なものと言えます。

試行錯誤しながら、学習サポートを作りあげています。皆さんのご自宅のハード面であるインターネット環境の違いも考慮しなくてはなりません。オンライン学習のいいところだけでなく、ハード面、ソフト面も含めて、不具合などが出てくることも大いに予想されます。

取るに足りないことばかりでの出発になります。最初はどんなに周到に準備をしていても、上手く進まないこともあるでしょう。完全を追求するのではなく、試行錯誤を共有していきたいと思います。生徒、保護者のみなさんと一緒に作り上げていくという心意気で取り組んでいきたいと思います。

長引く自宅待機による心身の不調も予想されます。そこで、「ほっとタイム:スクールカウンセラーからのおたより」を配布しました。休校中は電話でカウンセラーの先生と相談することができます。笑顔で暮らせていたとしても、どこか緊張があるものです。元気が出ないとか、心がふさぐといった気持が続いたら、積極的に利用してください。

森先生が「大阪府こころの健康総合センターによる4つのリラクゼーション法」を紹介してくださっています。ぜひ、参考にして下さい。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/13282/00000000/relax.pdf

サッカーの三浦知良さんは『「新型コロナ」の日々「僕らは自分たちの力らを、もう少し信じていい」』と次のようにメッセージを発信しています。

「自分たちを信じる。僕たちのモラル、秩序と連帯、日本のアイデンティティーで乗り切ってみせる。そんな見本を示せたらいいね」

https://bunshun.jp/articles/-/37184

皆さんの尊敬するレジェンドたちも、今回の緊急事態宣言に関して様々な発言をされています。もし自分がその立場だったら、どんな発言をするだろうかと考えてみてもいいかもしれません。

今、校訓「正直・勤勉・親切」はもちろんのこと、私たちに必要なのは、「冷静さ・感謝・寛容」です。これが具体的にどういうことなのか?皆さんにもこの不測な期間に自ら考えて実践してもらいたいと思います。

本当に、本当に、不安な日々が続いています。決して、無理をしないように。そして、他人事ではなく自分事として、自分の大切な人である家族や親せきや友人とともに、できるところから始めていきましょう。

中等部・高等部 校長 江川昭夫