【第9回】 「家庭学習日期間中の今、皆さんに伝えたいこと」
「家庭学習日期間中の今、皆さんに伝えたいこと」
森村学園中等部高等部の春休みまでのスケジュールを配信しました。新型肺炎感染症拡大防止という観点から、「3学期期末試験」の中止という苦渋の決断を行いました。
学校活動において、試験及び行事はとても大切なものです。しかし、何よりも大切なのは、生徒の皆さん、教職員の健康であることは言うまでもありません。
3学期期末試験は中止となりましたが、終業式、中等部卒業証書授与式、高等部卒業証書授与式につきましては、その意義を維持しつつ、少し規模を縮小して行う予定です。
なお、これは現時点(3月2日)での状況に基づく判断であり、今後の状況によっては、また新たな判断もあることを申し上げておきます。
現在、情報は毎日のように発信されており、中には誤情報が含まれていることもあります。皆さんにお願いしたいのは、テレビやSNSで配信される情報をうのみにすることなく、まずは最新かつ正確な情報を確認していただきたいということです。例えば、厚労省や新聞社の、以下のようなサイトです。
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
『【随時更新】新型肺炎、今なにをすべきか~正しい情報で正しい行動を』(読売オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/topics/20200129-OYT8T50025/
ご存知の通り、森村学園の教育目標は「どんな状況でも自分で課題を発見し、解決する生徒の育成」です。今回は、これを再確認できる機会だと思って下さい。
生徒の皆さんは、「家庭学習日」によって、友達や先生方と一緒に学ぶ時間を奪われてしまいました。しかしこれは、言葉を変えれば、自分自身で学ばなければならない時間を与えられたということです。工夫して、知恵を絞って、そして担任の先生をはじめとした周囲に相談しつつ、自ら学ぶ力を養って下さい。また、家族の一員として家庭のお手伝いをするなど、有意義に過ごして下さい。
そして何よりも、皆さんの最優先事項は「新型肺炎に感染しない」ことです。そのためにも、手洗い、消毒、マスク、換気、大勢でいる時間の短縮等を常に意識して行動をして下さい。
私達教職員は、早期の終息を祈りつつ、知恵を絞って、この局面を乗り切っていく所存です。どうか保護者の皆様、生徒の皆さん、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
休校中のイタリア・ミラノの高校のドミニコ・スキラーチェ校長が、学校のホームページ上で生徒に発信したメッセージが話題になっています。
「休校の今、皆さんに伝えたいこと」
http://ml.asahi.com/p/000004c215/6015/body/pc.html (一部有料会員限定記事)
スキラーチェ校長は、19世紀にペストが流行した様子を描写した国民的文学作品「いいなづけ」を引用しています。また日本では、ノーベル賞作家アルベール・カミュの「ペスト」が各地で在庫切れとのニュースも目にしました。こうした本を読むことは、パニックになりそうなとき、社会の、そして自分の言動を客観視する助けになるでしょう。
スキラーチェ校長の最後の言葉と同じく、私も皆さんを「学校で待っています」。
校長 江川昭夫